◆ 予防注射 ◆

ワクチン 接種回数 料金(税込) 製品名 種類 備考
麻疹・風疹混合(MR) 1回(2回) 9900円 麻しん風しん混合ワクチン  
風疹 1回(2回) 5500円 風しんワクチン  
麻疹 1回(2回) 5500円 麻しんワクチン  
おたふくかぜ 1回(2回) 5500円 おたふくかぜワクチン  
水痘 1回(2回) 7700円 水痘ワクチン  
帯状疱疹 1回 7700円 水痘ワクチン 50歳以上
帯状疱疹 2回 22000円 シングリックス 不活化 50歳以上
B型肝炎 3回 5500円 ビームゲン 不活化  
肺炎球菌 1回 8800円 ニューモバックス 不活化  
子宮頸がん(4価) 3回 16500円 ガーダシル 不活化  
子宮頸がん(9価) 3回 30800円 シルガード9 不活化 女性
A型肝炎 3回 8800円 エイムゲン 不活化  
狂犬病 3回 16500円 ラビピュール 不活化  
日本脳炎 3回 7700円 エンセバック 不活化  
不活化ポリオ(IPV) 3回(4回) 9900円 イモバックスポリオ 不活化  
髄膜炎菌 1回 24200円 メンクアッドフィ 不活化  
破傷風トキソイド 3回 3300円 沈降破傷風トキソイド トキソイド  
RSウイルスワクチン 1回 26400円 アレックスビー 不活化 60歳以上

料金は1回あたりの値段です。

麻疹ワクチンの入荷は不安定ですのでご迷惑をおかけします。

またお仕事の関係などで新型コロナウイルスワクチン(コミナティ)が必要な方はご連絡下さい。(定期接種は秋の予定です。)

 

製品名はよく使用するものです。入荷状況で異なるものになる場合があります。

ワクチンは常時おいているものと、都度取り寄せするものがありますので、お手数ですが事前に電話で問い合わせ下さい。

 

ワクチン接種についての注意事項

①注射の生ワクチン(麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘・帯状疱疹、黄熱、BCGなど)は、前後4週間ほかの注射の生ワクチンを接種できません。

②インフルエンザワクチン以外のワクチンは、新型コロナワクチン接種と前後2週間あけなければなりません。ただし、創傷時の破傷風トキソイド等、緊急性を要するものに関しては、例外として2週間をあけずに接種することが可能です。

③上記以外、ワクチン接種間隔の制限はありません。(それぞれのワクチンについて間隔規定はあります。)

 

一般的に以下の場合ワクチン接種が行えません。

  • 明らかな発熱がある方
  • 重篤な急性疾患にかかっている方
  • 接種するワクチンの成分でアナフィラキシーのある方
  • その他医師が不適切と認めた方

 

ほかに注射の生ワクチンについての注意事項

  • 妊娠している方、妊娠の可能性のある方は接種できません。また生ワクチン接種後は2カ月間妊娠できません。
  • 明らかに免疫機能に異常のある疾患の方、免疫抑制をきたす治療を受けている方は接種できません。ステロイドや免疫抑制治療を受けている方は主治医に相談して下さい。
  • 免疫グロブリン製剤を使用した場合、3か月以上間隔をあけて接種となります。主治医にご確認下さい。

 

◆帯状疱疹ワクチン 

帯状疱疹ワクチンは2種類とも、発症しやすくなる50歳以上で接種可能です。

①生ワクチンの弱毒生水痘ワクチンは1回接種で、費用が抑えられ、副作用の頻度が少ないです。(カナマイシン、エリスロマイシンの抗生剤の成分が入っており、アレルギー反応を起こした方は接種できません。)

②不活化ワクチンのシングリックスは高価で2回接種が必要ですが、発症予防効果が高く、長い期間有効です。

 

◆肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンは、大阪市在住の65歳の方は初回接種のみ助成があります。詳しくは大阪市:高齢者用肺炎球菌ワクチン接種について (…>成人の健康>予防接種) (osaka.lg.jp)をご覧ください。(脾臓摘出後の方は、健康保険で肺炎球菌ワクチン接種を行います。)

 

 

当院は大阪市予防接種指定医療機関です。風疹ワクチンなど、条件がありますが大阪市その他の助成金が受けられる場合があります。

 

ワクチンを接種することにより病気にかかりにくくなり、また病気になったとしても軽症で済むようになります。

 

当院では上記予防接種以外に、インフルエンザワクチン、新型コロナワクチン(対象時期にホームページの別枠に表示します)の接種を行っております。

◆RSウイルスワクチン

RSウイルス(Human respiratory syncytial virus , RSV)は、通常の感冒様症状や、場合によっては下気道炎(気管支炎、細気管支炎および肺炎)を引き起こすウイルスです。RSウイルス感染症は一般的に軽症ですが、重篤な合併症や重大な転帰の原因になることがあります。特に年齢が60歳以上の方、慢性疾患を有する方、免疫機能が低下した方はリスクが高いとされています。

現状、成⼈のRSウイルス感染症の治療は対症療法しかないため、ワクチンによる予防が重要になります。

アレックスビー筋注用ワクチンは、60歳以上の方が対象で、日本では2024年1月に発売されました。

◆HPV(ヒトパピローマウイルス)

HPVは、皮膚や粘膜に感染するウイルスで、200以上の種類があり、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされています。子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

HPVの中には子宮頸がんをおこしやすい種類(型)のものがあり、HPVワクチンは、このうち一部の感染を防ぐことができます。

 

日本国内で使用できるワクチンは、防ぐことができるHPVの種類によって、2価、4価、9価の3種類があります。

(1)2価ワクチン「サーバリックス」

→子宮頸がんから最も多く検出される16型、18型の予防

(2)4価ワクチン「ガーダシル」

→2価に加え、尖圭コンジローマの原因の90%以上である6型、11型の予防

(3)9価ワクチン「シルガード9」

→4価に加え、子宮頸がんの原因となる31型、33型、45型、52型、58型の予防

 

 2価HPVワクチンおよび4価HPVワクチンは、子宮頚がんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頚がんの原因の50~70%を防ぎます。9価ワクチンは、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類のHPVの感染も防ぐため、子宮頚がんの原因の80~90%を防ぎます。

 

小学校6年~高校1年相当の女性は、予防接種法に基づく定期接種として、公費でHPVワクチンを接種することができます。接種回数は3回ですが、9価ワクチンは、15歳未満に1回目を接種すると2回接種で終了できます。

(出典:ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がんとHPVワクチン~|厚生労働省ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン こどもとおとなのワクチンサイト

標準的なワクチン接種スケジュール

平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性の中で、定期接種の対象年齢(小学校6年~高校1年相当)の間に接種を逃した方には、あらためて公費での接種の機会があります。詳しくは、HPVワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~|厚生労働省 (mhlw.go.jp)大阪市:子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの接種について (…>成人の健康>予防接種) (osaka.lg.jp)をご覧ください。

3回接種を公費で受けられる最終日程は、①2024年9月30日、②11月30日、③2025年3月30日か31日です。余裕をもって早めに接種するようにして下さい。

 

~男性の接種について~

HPVは男性もかかる中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマの原因にもなっており、男性もワクチン接種をすることにより、自分自身だけでなく大切なパートナーを病気から守ることができます。ただし、定期接種対象者は女性のみであり、男性が接種する場合は任意接種で全額自費となり、ガーダシルのみとなります。サーバリックスとシルガード9の国内での適応は女性のみです。

◆麻疹の定期接種

予防接種法に基づく麻疹の定期接種は1978101日から始まりました(対象者は生後12ヵ月以上72ヵ月未満で、1972年10月生まれ以降が1回定期接種の対象となりました)。

19894月から麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチン(MMR)ワクチンを定期接種に使用するようになりましたが、おたふくかぜワクチン株による無菌性髄膜炎が多発したため、19934月にMMRワクチンの使用は中止となり、現在国内で製造販売が承認されているMMRワクチンはありません。

200641日から、麻疹風疹混合(MR)ワクチンが定期接種に導入され、同年62日から、2回接種(1歳時の第1期および小学校就学前1年間の第2期)が開始されました。これにより2000年度生まれから2回定期接種対象となりました。

2007年に10-20歳代を中心とする麻疹の全国流行を受けて、2008(平成20)年41日から5年間中学1年生(3期)、高校3年生(4期)相当年齢で2回目の接種を行う措置が実施されました(特例措置)。これにより1回接種の1990年4月2日から2000年4月1日生まれの約8割が2回接種となりました。

 

麻疹ワクチン1回接種による免疫獲得率は9395%以上、2回接種による免疫獲得率は9799%以上と報告されています。2回接種にしたことで、麻疹の発症が減少し、2015年世界保健機関(WHO)より国内麻疹排除状態と認定されました。しかし、麻疹・風疹2(5-6)の接種率は目標の95%に達していないこともあり、これまでも国外からの輸入感染による集団発生が認められており、また新型コロナウイルスが拡大した2020年以降減少傾向であった国際的な人の往来が再開したことから、麻疹発生数が再び増加しています。

そのためこれまで麻疹にかかったことがなく、ワクチン接種可能な人は1歳以上で2回の予防接種を行い、集団免疫を高めておくことが非常に重要です。

接種記録が残されていない場合、接種していないと考えます。

 

また麻疹にかかったことがあると言われていても、検査で麻疹の感染が確認されていない場合、記憶違いや別の疾患であった可能性があるため、かかったことがないとみなします。なお検査による診断が全例で行われるようになったのは2013年4月以降です。

 

 

 

  生年月日別の接種状況

生年月日

ワクチン定期接種

1972(昭和47)年930

接種なし

1972(昭和47)年101日~1990(平成2)年41

1回接種

1990(平成2)年42日~2000(平成12)年41

もともと1回接種

→特例措置で約8割が2回接種に

2000(平成12)年42日~

2回接種

(1歳と6歳で接種)

 

ワクチンの種類は麻疹ワクチンで、1989年4月から1993年4月までMMRワクチンがあり、2006年4月以降、原則MRワクチンとなりました。

1972年9月30日以前生まれは、1回も接種していない可能性が高いので、麻疹にかかった記録がない方は合計2回のワクチン接種が推奨されます。麻疹に感染したことがあれば、麻疹発症が多い世代ではBooster効果があるため、十分な免疫が残っている可能性が高いでしょう。 

定期接種として1回しか接種していない年代は、麻疹にかかった記録や、合計2回接種の記録がなければ、追加接種が推奨されています。

 

実際には生年月日に関わらず、検査で診断された麻疹の罹患歴と、母子手帳で麻疹含有ワクチン接種の記録いずれも確認できない場合は、最低1か月以上あけて2回の麻疹含有ワクチンの接種を受けるか、あるいは血液検査で抗体価(当院ではEIA価で結果が出るのに1週間かかります)を測定して、医療関係者のためのワクチンガイドラインに沿って、EIA価16未満でワクチン接種が必要と考えます。(医療従事者以外の方向けの、麻疹抗体基準を定めたガイドラインをみつけられませんでした。)

 

なお、麻疹の免疫が不十分な方が麻疹患者と接触した場合、72時間以内にワクチンを接種することで麻疹の発症を防げる可能性があります(緊急接種)。

 

麻疹の報告数

麻疹は、それまで定点報告でしたが2008年より五類感染症の全数報告へ変更、2013年4月に診断後24時間以内に臨床診断としての届出と全例の検査診断が必要となりました。全数届出になった2008年の年間届出数は11,013例でした。それ以後2019年までは35-744例で推移し, 特に2019年は2009年以降で最多となる744例が届出されました。

2020年以降は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行で国内外の人の移動が制限され、麻疹報告例は少なく、2020年、2021年、2022年の年間報告数はそれぞれ10名、6名、6名で、2008年の全数報告開始以降最少の報告数となりました。2023年国内外の人の移動制限が解除され、年間報告数は28名と増加傾向でした。2024年、4月3日までの報告数は21名となっています。参照:麻疹 発生動向調査 (niid.go.jp)

 

 

麻疹ワクチン(また麻疹風疹混合ワクチン)接種について

当院で麻疹ワクチンとしてご用意できるのは、麻疹ワクチンか麻疹風疹混合(MR)ワクチンですが、現在ほとんど入荷できない状態です。

ここでは予防接種の効果と副反応について示します。

 

麻疹、風疹ワクチンの1回接種後の抗体保有率は約95%、2回接種後の抗体保有率は約99%と報告されています。(5%に抗体ができないとの記載もあります。)十分な抗体があれば、接種したワクチンの麻疹や風疹にかかることを防ぐことができます。ただし、近くに感染者がいる場合、100%防御できる保証はなく、麻疹(はしか)発生が続いている期間は、できるだけ接触しないように気をつけましょう。ワクチンを接種した方や過去にかかったことがある方が、免疫力が低下してもし感染しても、免疫がない場合に比べて症状が軽く、周囲への感染力も弱くなるとされています。

 

麻疹対策において予防接種がとても重要ですが、予防接種により副反応がみられることがあります。多くは軽い副反応ですが、極めて稀に重い副反応がおこることがあります。予防接種後にみられる反応は、下記のとおりです。

① 麻疹風疹混合MR)ワクチンの主な副反応

主な副反応は、発熱(接種した者のうち 20%程度)や、発しん(接種した者のうち 10%程度)です。これらの症状は、接種後 514 日の間に多くみられます。接種直後から翌日に過敏症状と考えられる発熱、発しん、掻痒(かゆみ)などがみられることがありますが、これらの症状は通常 13 日でおさまります。ときに、接種部位の発赤、腫れ、硬結(しこり)、リンパ節の腫れ等がみられることがありますが、いずれも一過性で通常数日中に消失します。

稀に生じる重い副反応としては、アナフィラキシー様症状(ショック症状、じんましん、呼吸困難など)、急性血小板減少性紫斑病(紫斑、鼻出血、口腔粘膜の出血等)、脳炎及びけいれん等が報告されています。

② 麻疹ワクチンの主な副反応

主な副反応は、接種後(514 日)を中心として、37.5℃以上 38.5℃未満の発熱(接種した方のうち約5%前後)、38.5℃以上の発熱(接種した方のうち約8%前後)、麻疹様の発しん(接種した方のうち約6%前後)がみられます。ただし、発熱の期間は通常12日で、発しんは少数の紅斑や丘しんから自然麻疹に近い場合もあります。その他には、接種した部位の発赤、腫れ、じんましん、低年齢のお子様では熱性けいれん(約300人に1人)等が認められることがありますが、いずれもそのほとんどは一過性です。

稀に生じる重い副反応としては、アナフィラキシー様症状、脳炎脳症(100150万人接種あたり1人以下)、急性血小板減少性紫斑病(100万人接種あたり1人程度)が知られています。なお、ワクチンによる亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の発症は、疫学的にもウイルス学的にも認められないといわれています。

③ 風疹ワクチンの主な副反応 (麻疹とは違いますが参考に)

主な副反応は、発しん、じんましん、紅斑、掻痒(かゆみ)、発熱、リンパ節の腫れ、関節痛などが認められています。

稀に生じる重い副反応としては、ショック、アナフィラキシー様症状があり、また、急性血小板減少性紫斑病(100万人接種あたり1人程度)が報告されています。

 

次の人は、これらのワクチンの接種を受けることはできません。

・ 明らかに発熱(通常37.5℃以上)している人

・ 重篤な急性疾患にかかっている人

・ 過去にこのワクチンに含まれている成分でアナフィラキシーをおこしたことがある人

(ワクチンによっては、カナマイシンとエリスロマイシンの成分が含まれています)

・ 明らかに免疫機能に異常がある人、および免疫を抑える可能性がある治療<副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン)、免疫抑制剤 シクロスポリン(サンディミュン)、タクロリムス(プログラフ)、アザチオプリン(イムラン)など>を受けている人

・ 妊娠している人、妊娠している可能性のある人

4週間以内に生ワクチンを接種した人(27日以上間隔をあけて接種できます)

・ 2週間以内に新型コロナワクチンを接種した人

・ 接種前6か月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を受けた人は、このワクチンの接種時期について医師に相談して下さい。

・ 上記以外に医師が予防接種を行うことが不適当な状態にあると判断した人

 

接種後の注意点

・ 接種当日は体調の変化に注意して無理のないようにお過ごし下さい。

・ 接種後に、アナフィラキシー(全身のかゆみ、じんま疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸(どうき)、息苦しいなど)がおこることがあります。アナフィラキシーは通常接種後30分以内におこることが多いので、注意して下さい。(どのようなワクチンでも起こりえます)

・ 接種後、5日から2週間の間に12割の方に、発熱や発疹がみられることがあります。通常は数日でおさまります。体調不良によりお近くの医療機関を受診される際には、ワクチンを接種したことをお伝え下さい。

・ 女性の方は、接種後2か月間は妊娠を避ける必要がありますので、十分にお気をつけ下さい。

・ 接種後4週間は生ワクチンを接種できません。

・ 接種後2週間は新型コロナワクチンを接種できません。

・ お配りした予防接種済証明書は予防接種を行ったことの記録になりますので、大切に保管して下さい。

 

(出典:麻疹含有ワクチン接種のガイドライン第一版、医療関係者のためのワクチンガイドライン第3版、一般社団法人日本ワクチン産業協会の予防接種に関するQ&A集ほか)

 

当ホームページでの情報は最新のものでない可能性があります。麻疹の最新情報は、厚生労働省、国立感染症研究所、各自治体などのホームページなどを確認して下さい。

◆ 抗体検査ほか ◆

主な抗体検査の料金は下記になります。その他の抗体検査につきましても、可能な場合がございます。(取引先の価格の変動にともない、今後も変更することがあります。)

抗体検査 料金(税込)
麻疹 2750円      
風疹 2750円
おたふくかぜ 2750円
水痘 2750円
HBs抗体(CLIA法) 2200円
HBs抗原(CLIA法) 2200円
HBs抗原・抗体(CLIA法)  3850円
HCV抗体 2200円
梅毒 RPR & TPHA 1100円
HIV検査 抗原・抗体 2420円
T-SPOT検査(結核) 9900円
血液型検査(ABO・Rh) 1100円

◆ 海外渡航ワクチン ◆

#A型肝炎ワクチン:エイムゲン

 ワクチンは0.5mlを2~4週間隔で2回筋肉内または皮下に接種します。6か月以上滞在するのであれば初回接種後24週を経過した後に0.5mlを追加接種し、5年以上の効果が続くとされています。その後抗体価が下がるため、感染リスクがある場合は 5-10年ごとの追加接種(1回)が推奨されます。(10~20年以上の長期にわたり追加接種は不要であるとの報告もあります。)

 国産ワクチンは2回接種後2週間程度で免疫がつくため、海外渡航の際は出発1−2か月前までに受診し、接種を開始するのが理想的です。3回目の接種は帰国後でも問題ありません。海外渡航までに時間がない場合は、2週間あけて2回目の接種を行うことも可能です。

 

 A型肝炎は加熱処理されていない食べ物や飲み物から感染する病気で、アジア、アフリカ、中南米に広く存在します。発症すると倦怠感が強くなり、重症になると1か月以上の入院が必要となる場合があります。特に途上国に長期(1か月以上)滞在する人におすすめするワクチンです。また70歳以下の人は抗体保有率が低いため、接種をおすすめします。2013年3月以降、それまで 16歳以上であったエイムゲンの使用適応が、16歳未満の小児(主に1歳以上)へ拡大されました。

 

 

#B型肝炎:ビームゲン

 ワクチンは0.5mlを4週間隔で2回筋肉内または皮下に接種し、さらに、20~24週間後に1回接種します。ワクチン3回接種後、抗体がついた場合、防御効果は20年以上持続すると言われています。水平感染予防として2016年より定期接種化されました。

 

 以前は輸血や医療従事者の注射針による針刺し事故など血液を介した感染が問題とされていましたが、現在ではB型肝炎(活動期)の母親から生まれる新生児期を中心とした感染と、思春期以降の性行為(唾液や体液の濃厚接触)を通じた感染の2つが主な原因となっています。一般に健康な(免疫不全でない)成人の感染では一過性感染が多く、急性肝炎の経過をとるものと不顕性感染となるものがあります。一過性感染例では劇症化して死亡する例(約2%)を除くと、多くは、およそ3か月で肝機能が正常化します。

 

 

 #破傷風:沈降破傷風トキソイド「生研」

 1968年以降に生まれた方は、小児期に定期接種で破傷風を含む3種(または4種)混合ワクチンを接種(現在小児期に5回接種)しており、定期接種で破傷風・ジフテリアワクチンを12歳の時に受けていれば、20代前半位までは免疫があります。最終接種から10年経過していれば、破傷風トキソイド(または3種混合ワクチン)を1回、以降10年ごとの破傷風トキソイドの追加接種が望ましいです。

 1967年以前に生まれた方は、小児期に破傷風を含むワクチンの定期接種が行われていなかったため、基礎免疫をもっていません。そのためまずは3回接種を推奨します。初回免疫として沈降破傷風トキソイド0.5mLを、3~8週間の間隔で2回皮下又は筋肉内に接種します。初回免疫終了後12〜18か月の間に0.5mL 1回を追加接種すると、基礎免疫が完了します。(3回目は2回目接種から6か月以上の間隔をあければ接種可。)その後は抗体の減衰を考慮して10年毎に1回追加接種を行います。

 

 破傷風は、破傷風菌が作る毒素によって起こる感染症です。破傷風菌は世界中の土や動物のフンなどに存在し、日本でも毎年患者が発生しています。土などで汚れた傷から、破傷風菌芽胞が入り込み、傷のなかの酸素のないところ(嫌気状態)で菌が増え、毒素を出します。その毒素が全身に回って神経に作用し、痛みを伴う筋肉のけいれんやこわばりを起こし、口が開きにくいという症状(開口障害)が出てきます。顔の筋肉がけいれんすることにより笑っているような表情に見えたり、ものが飲み込みにくくなったり、頭部から背中まで弓なりにそり返る症状が認められたりします。意識は保たれます。

 破傷風は、自然に免疫がつくことはありません。怪我をする可能性のある人、とくに途上国では、けがをしやすく、命に関わることもあるので、接種を検討して下さい。また渡航に関係なく、定期接種が未接種あるいは接種歴が不明の方は、積極的に、破傷風トキソイドを接種することを検討しましょう。

 

 

#狂犬病:ラビピュール

 1.0mLを1回量として、2回目を7日後、3回目を21日後または28日後に筋肉注射します。日本では、暴露前免疫の追加接種については特に定められていませんが、狂犬病ウイルス暴露リスクに応じて追加接種が望まれます。

 

 狂犬病は、発病すればほぼ100%が死亡する病気です。アジア・アフリカ地域を中心に世界中で発生しており、発生が確認されていない国はオーストラリア、ニュージーランドなどごくわずかです。イヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの動物に引っかかれたり、咬まれたりすることによって感染する危険性が高く、長期滞在、研究者など動物と直接接触し感染の機会の多い場合や、奥地・秘境などへの渡航ですぐに医療機関にかかることができない人におすすめするワクチンです。暴露前のワクチン接種を行っている場合であっても、特に狂犬病発生地域で犬などに咬まれた場合には暴露後のワクチン接種が必要です。

 このワクチンはゼラチンを含有しており、ゼラチンアレルギーのある人への接種時には注意が必要です。

 

 

#日本脳炎:エンセバック

 1回もワクチン接種を受けていない人は、ワクチンは14週間間隔で2回皮下接種します(初回免疫)。2回目接種から6カ月以上あけて(標準的には1年後)追加接種を1回します(追加免疫)。こうして基礎免疫の完了後は、1回の接種で45年間有効な免疫がつきます。

 流行地域(特に農村部)に長期間渡航される場合、定期予防接種を(4回)完了している方、また任意接種で基礎免疫を完了している方は、最終接種から45年経っていれば渡航前に1回接種し、以後34年ごとに接種することが勧められます。虫よけスプレーや蚊取り線香などを利用し、肌を露出しない服装を心がけましょう。

 (なお、1995年~2006年度に生まれた方は、2005年~2009年度に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃していることがあり、20 歳になるまでの間、定期接種として実施することができます。市町村からの案内をご確認下さい。)

 

 日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。以前は子どもや高齢者に多くみられた病気です。突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもあります。流行地(東アジア、南アジア、東南アジア)へ行く人におすすめするワクチンです。

 

 

#ポリオ:イモバックスポリオ

 過去の接種歴がないか不十分な場合は、ポリオワクチンとしてトータルの接種回数が3回以上となるように追加免疫の接種を行います。成人の場合は4〜8週間隔で2回、2回目から6〜12ヶ月後に3回目の不活化ポリオワクチン(IPV)を接種してください。

 ポリオワクチンによる免疫効果は、ポリオ含有ワクチンの4回目の追加接種後、4年で抗体価が防御レベルを下回る可能性が示唆されています。ポリオの発生が認められる地域に渡航する場合、定期予防接種での規定のポリオワクチンの接種(IPV4回接種)を完了した成人の方も、念のため出発前に不活化ポリオワクチン(IPV)を接種して下さい。

 また1961年ポリオ生ワクチン(OPV)が開始されましたが、1975~1977年生まれの人は、ポリオに対する免疫が低いことがわかっていますので、海外渡航する場合、渡航先が流行国でなくても、渡航前の追加接種を検討して下さい。

 

 

#MR(麻疹・風疹)ワクチン

 MR ワクチンは、定期予防接種として1歳以上で2回接種します(接種記録は大切に保管しましょう)。麻疹・風疹にかかったことがない方、麻疹・風疹の予防接種を受けたことがない方、ワクチンを1回しか接種していない方または予防接種を受けたかどうかがわからない方に、ワクチン接種をおすすめします。

 可能な限り海外旅行の2 週間以上前に接種を済ませて下さい。旅行直前に接種する場合は、接種後 5~14 日の体調変化に注意が必要です。

 

【麻疹】

 麻疹の定期予防接種は、1972年10月生まれから1回接種、1990年4月生まれから2回接種を受けていることになっています。予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。

 麻疹にかかったことがない方、麻疹の予防接種を受けたことがないまたは1回しか受けていない方、予防接種を受けたかわからない方には、ワクチン接種をおすすめします。

 麻疹は感染力が非常に強く、簡単に人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。主な症状は発熱、咳、鼻汁、結膜充血、発しんなどですが、まれに肺炎や脳炎になることがあり、先進国であっても、患者1000人に1人が死亡するとされています。

 

【風疹】

 1962年4月以前に生まれた方は1回も定期接種がありません。1962年度から1989年度生まれの女性は接種を受けていても1回です。1979年4月1日以前生まれの男性は0回、1979年4月2日~1990年4月1日生まれの男性は1回です。1990年4月2日生まれから定期予防接種で2回接種が行われています。(なお、抗体保有率の低い1962年4月2日から1979年4月1日までの間に生まれた男性について、2025年3月31日まで定期接種の対象となっています(第5期風しん定期接種・風しん抗体検査)。参照:大阪市:風しんの追加的対策(第5期風しん定期接種・風しん抗体検査)について (…>成人の健康>検査・健診) (osaka.lg.jp)

 風疹にかかったことがない方、風疹の予防接種を受けたことがない方、ワクチンを1回しか接種していない方または予防接種を受けたかどうかがわからない方には、ワクチン接種をおすすめします。

 風疹は感染力が強く、人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。主な症状は発熱、発しん、リンパ節腫脹などですが、感染しても症状がでない人が15~30%程度います。通常は自然に治りますが、まれに脳炎になったりして入院が必要になることがあります。妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、生まれてくるお子さんが先天性風しん症候群になり、難聴・白内障・心臓の病気などをもって生まれてくることがあります。

 

 

 #髄膜炎:メンクアッドフィ筋注

 髄膜炎菌による感染症のうち、髄膜炎菌が髄液または血液などの無菌部位から検出されたものを侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)といいます。髄膜炎菌ワクチンの接種を推奨されるのは、髄膜炎菌の流行地域へ渡航する場合や侵襲性髄膜炎菌感染症のハイリスク者です。

髄膜炎菌の流行地域は、髄膜炎ベルトといわれるサハラ以南のアフリカで、サウジアラビアのメッカに巡礼する際接種を行います。また米国、オーストラリア、英国、カナダなどの先進国でも流行を繰り返しており、これらの国々へ留学する際は予防接種を求められることもあります。

 世界的には人口の3~25%が髄膜炎菌を保菌しているとされますが、日本の過去の調査において保菌率は0.4%と低い値でした。そのため、海外に行く日本人は免疫を持たずに他国で過ごすことになります。特に留学の場合は、寮生活をする場合はもちろん、寮生活をしない場合においても積極的に人とのコミュニケーションをとるケースが多く、感染症の知識、予防が求められます。

 髄膜炎菌は少なくとも12種類の血清群に分類され、IMD 症例からは主に血清群 A、B、C、Y、W が分離されています。4価髄膜炎菌ワクチン(メンクアッドフィ筋注)は、血清群がA、C、Y、およびWによるIMDを予防するワクチンです。

 2歳以上の方が対象で、1回0.5mLを筋肉内接種します。

 このワクチンの成分または破傷風トキソイドによってアナフィラキシー(通常接種後30分以内に出現する 呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応のこと)をおこしたことがある方は接種できません。